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子ども部屋に暖房は必要か、計算してみた

マイホームが欲しい!と思い立ったら、ハウスメーカーや工務店で話しを聞いて回ります。

色々見聞きしたのち分かったことは、インテリアやエクステリアの好み、営業マンの対応、素材の良し悪し、会社の規模。このくらいだと思います。

これらは誰にでも直感的に分かります。

 

では、例えば「冬暖かくて、夏涼しい家が欲しい」と思っており、工法や性能を営業マンから説明されたとします。

「地震に強い〇〇工法です!」や「断熱性能は△△なので夏涼しく冬暖かいです!」と言われたら、どう思いますか?

「地震に強いし涼しく暖かいと言っているから、きっとそうなんだろうな。」と思いますよね。

しかし、なぜ地震に強いのか、なぜ涼しく暖かいのか、というのは理解できない方がほとんどです。

これは、直感的には分からないことだからです。

断熱・気密性能を示すUA値やC値の説明をされても、それらの意味を知らない方には「ふーん。。。じゃあ性能がいいんだね」としか思えません。

しかし、これはお客様だけではなく、実は説明している営業マン自身もよく分かっていません。

なので、冬の子ども部屋の暖房の使用量はどのくらい必要?という質問に答えられる営業マンは、ほぼいません。

設計士ですら、答えられる人はごくわずかです。

「ライフスタイルにもよりますが、国が定める基準をはるかに上回る断熱性能があるので、そんなに暖房を使わなくても快適に過ごせますよ。」というように、ズバリの回答はでてきません。

なぜなら、前述したようにプロである営業マンや設計士もよく分からず、答えの出し方を知らないからです。

 

では、子ども部屋の暖房使用量を計算してみます。

例えば冬の時期、2階の南西角の6帖の子ども部屋、天井高2.4m、室温20℃、隣接する部屋や天井裏の室温10℃、外気温0℃、南面に掃き出し窓1つ(3.3㎡、U値2.0)の場合。

細かい計算を書くと、これ以上読んでもらえなくなると思うので割愛します。

換気による熱損失も加味して計算すると、総熱損失量は830.0W(ワット)。

人が一人部屋にいるとして、窓からの日射取得熱も計算すると、76.6Wの熱量が不足します。

人一人の熱量が約100Wなので、部屋に2人いれば暖房は不要となります。日中は日射取得熱が上がることも考慮すると。。。

結論、「この部屋に暖房は不要」となります。

「ん~、暖房はいらないと思いますよ?」ではなく、根拠ある計算のもと「暖房はいりません」と言えます。

ちなみに夏の場合は、人や日射による熱量がマイナスに働き、全く違う結論になるので暖房不要=冷房不要ではありません。

 

長々と書きましたが、大切なのは、計算による明確な答えを出すこと。

そして、熱量うんぬんよりも光熱費がいくらになるのかを可能な限り明確に想定することです。

 

「家」に関わる月々の出費は、光熱費と住宅ローン(建築費)です。

つまり、光熱費と住宅ローンは必ずセットで考えるべきであり、光熱費を明確にすることで、建築費と光熱費のベストなバランスを導くことが可能です。

 

例えば、

 

■建築費2500万円、次世代省エネ基準の家

住宅ローン:88,445円/月

光熱費:23,000円/月

合計:110,455円/月

 

■建築費2700万円、暖房負荷が次世代省エネ基準の半分の家

住宅ローン:95,532円/月

光熱費:13,000円/月

合計:108,532円/月

 

光熱費が明確になると、上記例のように建築費を増やして断熱性能を上げたほうが、月々の支払い金額は安くなる、という計算ができるようになります。

太陽光発電や太陽熱温水を設置した場合は、イニシャルコスト(設置費)をふまえても、さらに月々の支払い金額が安くなる場合もあります。

「弊社の30坪の家の平均的な光熱費は○○円くらいです」ではなく、一棟一棟、異なるプランにあわせて根拠のある光熱費の計算ができるのは、他の会社ではなかなかできない、実はすごいことなんです。

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広報のヨネ

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