シロアリ駆除に効果的な「ホウ酸」

木造住宅の劣化の原因である「シロアリ」。

建築基準法においても、木造住宅では防蟻処理をすることが義務付けられています。

シロアリによる被害は、私たちの目に見えない場所で進行していくため、気づかないうちにどんどん蝕まれ、建物そのものに傷が付いたり歪んだりしてしまうため、非常に恐ろしいもの。

シロアリは1匹でも見かけたら、3万匹いると言われています。

考えただけでもゾッとしますよね。

現在、温暖化となった日本では、外来種となる「アメリカカンザイシロアリ」の被害が深刻化しています。

これまで防蟻処理の薬剤として使用されてきたのは、農薬系の薬剤でした。

しかし、農薬系の薬剤というのは、シックハウス症候群を引き起こすリスクがあることから、最近では敬遠されるようになったのです。

これに代わって使用されるようになったのが「ホウ酸」。

ホウ酸というと、ゴキブリ駆除で有名な「ホウ酸団子」をイメージされる方も多いですよね。

ホウ酸とは、ホウ酸塩鉱物を精製してつくられた自然由来の成分。

あの生命力の強いゴキブリに効果があるというので、ホウ酸＝毒性が強いと思われがちですが、実は自然由来の成分であり、目薬や化粧品などにも使用される安全なものなのです。

つまり、ホウ酸を防蟻剤として使用しても、私たち人間には無害ということ。

ではなぜ、ゴキブリやシロアリに効果的なのに、安心して使用することができるのでしょうか？

ホウ酸の安全性は、食塩の6倍とも言われています。それなのになぜ、シロアリやゴキブリには効果があるのでしょうか？

シロアリの駆除や予防対策として使用されるようになったホウ酸。

どんなメリットがあるのか見てみましょう。

先述したように、ホウ酸そのものは人体に影響はありません。

安全性が高いため、床下だけでなく構造材の外周部すべてに防蟻処理を施すことが可能です。

これならどこからともなく侵入してくるアメリカカンザイシロアリにも効果を発揮してくれますね。

また、ペットのいるご家庭でも安心して使用することができます。

ホウ酸についてのデメリットも知り、正しく使用しましょう。

ホウ酸は水溶性なので、地面につけたり、雨に濡れたりする屋外では本来の効果を十分に発揮することができません。

そのため、屋外にある杭や柵などの防蟻処理には不向きです。

基本的にはホウ酸施工が適しているのは、柱や家具、構造材などです。

ホウ酸はこれまでご紹介したように、シロアリやゴキブリ駆除に効果がありますが、それ以外にも、以下のようなことに効果があります。

シロアリ駆除に使用されるホウ酸。

いかに人体に安全で、シロアリ駆除に効果があるかが分かりましたよね。

シロアリやヒラタキクイムシなどの害虫は、駆除ではなく予防することが大切です。

これらの害虫対策をしっかりと行っていないと、耐震性も衰えてしまいますし、資産価値もぐっと下がってしまうからです。

私たち無添加計画でも、今回ご紹介したホウ酸による防蟻処理を行っています。

もちろん、アメリカカンザイシロアリに対応すべく、従来の基礎から1m上までの防蟻処理に加えて、構造材の外周部すべてに防蟻処理を施しています。

安心安全な住まいのために欠かせないホウ酸施工。

家づくりの際は、ぜひしっかりと対策をしてくださいね。