耐震診断とリフォーム

1995年の阪神淡路大震災以降、住宅の耐震に対する意識は高まりました。

その中で、「建物倒壊の原因は瓦屋根が重いから」と言う根拠のない話から、軽量瓦が売れるという事態が起こりました。

しかし実際は、土台と柱の接合が弱かったことによる「ホゾ抜け」という現象が、多くの建物の倒壊の原因であることが分かったのです。

ホゾ抜けとは、柱が土台である基礎から浮き上がり、外れてしまう現象です。

阪神淡路大震災では写真のように、1階部分が潰れ、2階部分がそのまま残る形で倒壊している住宅が多く見られました。

これは、ホゾ抜けにより土台から柱が抜けて、1階部分が崩れ、その上に2階部分が落ちたため、このような状態となったのです。

このホゾ抜け対策の為、2000年6月1日以降の住宅には、耐震対策として基礎・土台・柱を固定する「ホールダウン金物」というものを取り付けるようになりました。

それ以前の住宅に関しては、後付け耐震金物を取り付ける「耐震リフォーム」という形で対策が行われています。

しかし、施工費用がかかることと、取り付け義務がないことから、まだまだ普及が進んでいないのが現状です。

そして、2011年に起きた東日本大震災、2016年に起きた熊本地震をきっかけに、改めて耐震に対する意識が高まりました。

耐震リフォームを考えた際、まずは耐震診断を…と考える方が多いと思います。

決して間違いではありませんが、パソコンによる診断を行った場合、既存の住宅の多くは「倒壊のおそれアリ」と診断されてしまいます。

なぜなら築年数が経っている住宅の場合、現状の建築基準と違う基準で施工されていますから、正確な診断結果が出せないのです。

耐震リフォームが必要か否かについて考えたとき、耐震診断の結果を鵜呑みにしないことが大切です。

外壁（屋根）塗装や耐震リフォーム、太陽光発電、シロアリ駆除を提案する業者の中には悪質なものも多く、過剰な請求をされたり、やっていない工事の請求をされたりするケースもよく聞きます。

もっと悪質なのは、床下の無料点検と偽り、持ち込んだシロアリを撒いて写真を撮り「ここにシロアリがいます」と家主を脅し駆除費用を請求したり、「屋根瓦が割れているので雨漏りしますよ」と言って屋根に上り、割れていない瓦をこっそり踏みつけて割り、修繕費用を請求したりすることもあるのです。

耐震リフォームの場合も同様です。

必要以上の耐震金物を計上し、高額な見積りを提示されることもあります。

このような被害に遭わないためにも、その家その家に合った根拠のある耐震方法を検討するとともに、出来る限り信頼できる業者に依頼することが重要です。

これから先30年以内に大地震が起こる確率はおよそ70％と言われています。いつどこで起こるか分からない大地震に備え、大切な家族を守るため、私たちは日ごろから備えをしっかり行わなければならないでしょう。

私たち無添加計画では、耐震リフォームや耐震診断についてのご相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。