断熱し結露を防ぐ「樹脂窓」

家づくりをする際に意外と重要なのが「窓」。
なぜ窓選びがそんなに重要なのか？というと、窓は「熱が出入りする場所」だからです。

冬の暖房使用時は、窓から約50％の熱が奪われ、夏の冷房使用時は約70％の熱が入ってくると言われています。
つまり、窓の性能が高くないと、いくら冷暖房を使用してもなかなか快適な室温にすることができないのです。

しかし、窓の性能…と言っても、どのようなものを選べば良いか気になりますよね。
一般的によく目にする窓は、「アルミフレーム+単板ガラス」で構成されているものです。
一方、今回ご紹介する樹脂窓とは、「樹脂製フレーム+複層ガラス」から成る窓のことを言います。

樹脂窓は、アルミサッシに比べて、非常に断熱性が高いので、冬の暖かさはもちろんですが、夏も涼しく快適に過ごすことができるんですよ。

その性能の高さから、樹脂窓は、寒さ厳しい北欧や北米などの地域で多く使われています。
しかし、日本の場合は、まだ普及率がわずか20％程と低いのが現状。（※1）
圧倒的にアルミサッシの方が多いのですが、近年の「断熱性・気密性」を重視した家づくりにより、徐々に樹脂窓の人気も高くなっています。

そこで今回は、なぜ樹脂窓を選ぶと良いのか？樹脂窓を選ぶメリットについてご紹介します。

※1参考文献：一般社団法人日本サッシ協会「2021年3月版　住宅用建材使用状況調査の概要より」

断熱性能高い家づくりをしたとしても、窓の断熱性能が低いと、室内の暖かい空気が外へ逃げてしまいますよね。

樹脂窓の場合は、一般的なアルミサッシと違い、2枚のガラスから構成されているので、熱の伝わり方を軽減し、高い断熱効果を発揮してくれます。

このような複層ガラスは、単板ガラスのおよそ4倍もの断熱効果があると言われているので、（※2）樹脂窓にするだけで、厳しい冬もポカポカ快適に過ごすことができるでしょう。

※2参考文献：YKK AP「窓の表面温度比較（サーモグラフィー）」

断熱性能の効果を発揮できるのは、冬だけではありません。
西日が強く差し込む夏は、窓から太陽熱を受けて、お部屋の温度を上昇させてしまいます。

Low-E複層ガラスの樹脂窓であれば、太陽熱を約60％もカットするため、一般的なアルミサッシに比べて熱が伝わりにくく、お部屋が熱気で包まれてしまう心配がありません。

つまり、冬だけでなく夏も快適に過ごすことができるんです。
日当たりが良すぎて、夏は室内がサウナのように蒸し暑くなってしまうという場合は、樹脂窓に変えてみるといいかもしれませんね。

冬場の悩みと言えば、「結露」。
こまめに拭かないと、サッシやカーテンにカビが生えることもあり、ちょっとしたストレスになりますよね。

そもそも結露が引き起こされる原因は、外気と室温の差が関係します。
この温度差が大きければ大きいほど結露が生じやすく、またお部屋の湿度が高すぎても結露が起こりやすくなるのです。

このように結露を防ぐ為には、室内温度と窓の表面温度との「差」をなくすことが必要。
そこでおすすめなのが、樹脂窓です。
樹脂フレームは、アルミに比べて熱を伝えにくいという特性があるので、結露の発生を軽減してくれます。

また、樹脂フレームに加えてLow-E複層ガラスを採用すれば、更に断熱効果がアップ。
窓周辺の結露発生を抑えることができます。

分かりやすいのが、最近よく目にする二重底のグラスです。
冷たい飲み物を入れたときに、一般的なグラスだと、表面に結露が生じ、水滴でテーブルが濡れてしまいますよね。
しかし、二重底のグラス（ダブルウォールグラス）であれば、時間が経っても結露が生じにくく、水滴が垂れる心配がありません。

結露によるカビ・ダニの発生は、木造住宅にとっては大敵ですから、断熱性能の高い樹脂窓がおすすめなんですよ。

断熱性能の高い樹脂窓であれば、外気温に左右されにくいため、冷暖房効率が良くなります。
これにより、光熱費を削減することも可能です。

年々、電気料金の値上げが叫ばれるなか、少しでも光熱費の負担を減らすことができれば、家計も助かるでしょう。
もちろん、窓だけでなく住環境そのものも断熱性能を見直すことによって、大幅な光熱費削減につながります。

樹脂窓は、種類やデザインが豊富なのもメリットの1つ。
一般的なホワイトやブラウン、ブラックのようなサッシの色だけでなく、木目調などデザイン性に優れています。
これなら外観やお部屋のインテリアに合わせて好きなようにコーディネートすることができるので、家づくりがもっと楽しくなるでしょう。
また、窓の種類も豊富なので、設置する場所に合わせて選ぶことができますよ。

窓というのは、快適な住まいの実現に非常に重要な場所であることがお分かりいただけましたでしょうか。

今回ご紹介したように、サッシやガラスを変えるだけで、嫌な結露を解消したり、暑さ・寒さ対策ができたり…と良いことだらけ！
従来のアルミサッシとの違いに、驚く方も少なくないんですよ。

私たち無添加計画の家づくりでも、樹脂窓を取り入れることを推奨しています。
樹脂窓の中でも特に優れた断熱性能を誇る「Low-E複層ガラス」にすることで、暑い日差しや紫外線をカットする遮熱効果や外の冷気を遮断し室内の暖気を逃がさない断熱効果を発揮します。

日々の暮らしを支える「家」だからこそ、快適さを追求したいもの。
皆さんも良い家づくりは、「窓」にもこだわってみてくださいね。