家のこと(新築)
2022.1.20. THU
無垢材と集成材は何が違う?構造に適した建材はどっち?強度や耐久性を家づくりのプロが徹底比較!
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家の構造に使われる無垢材と集成材
木造住宅の構造部分に使用される無垢材と集成材。
一見、似たように見える無垢材と集成材ですが、比べてみるとその性質は大きく異なります。
家づくりの際の要となる構造部分に使用するからこそ、強度や耐久性などしっかり見極めてどちらを使うか判断したいですよね。
そこで今回は、無垢材と集成材のメリットデメリットを踏まえ、その違いについて解説。家が建ってしまえば構造部分というのは目には見えないところですが、耐震性や耐久性に大きくかかわる部分でもあります。
心から安心して住める家とは、無垢材と集成材どちらなのか?
よく考えてみてくださいね。
集成材とは?
集成材は小さな角材を接着剤でつなぎ合わせて1つの木材にした「人工の木」のことを言います。
よく見るとつなぎ合わせた部分がわかります。
一般的にこの集成材は、家の構造や柱などの部材として使われますが、無垢材と比べて安価であることから、多くのハウスメーカーで取り扱われています。
【集成材のメリット】
・無垢材に比べて安価
・品質が安定しているため誰にでも扱える
・無垢材のように反りや割れが少ない
集成材は、様々な木を寄せ集めて接着剤を使って貼り合わせた木材ですから、無駄なく1本の木を使うことができます。
そのため、無垢材に比べて安価なことが最大の特徴。
家づくりそのもののコストを抑えられるという点では、消費者にとって大きなメリットですよね。
また、扱いやすさも無垢材に比べると軍配が上がります。
集成材は、強度やしなやかさの異なる木材をつなぎ合わせているため、品質にばらつきが少ないのです。
実は集成材の場合、日本農林規格(JAS)の規定が定められており、「木材の含水率15%以下」の基準をクリアしたものを取り扱います。
そのため、湿度によって寸法が狂ったり、反りや割れが生じたりすることがないのです。
つまりこれは、施工する職人に左右されにくいということ!
仕上がりにも差がないため、一般的なハウスメーカーでもよく使われています。
【集成材のデメリット】
集成材のメリットを知ると、「なんだ、家の構造に適している建材なんだな」と安心する方も多いですよね。しかし、実はそこには大きな落とし穴があります。
それは無垢材には使われていない接着剤の不安です。
木と木をつなぎ合わせるために使われる接着剤は、経年劣化によって強度が衰え、剝がれてしまう恐れがあります。
後ほど詳しくご紹介しますが、実際、過去には大きな剝離事故が起き、社会問題となりました。
専門家によっても考え方は様々ですが、いくら強度の高い接着剤が使われていたとしても、それを使用してから何十年も経過していないことから、本当に安全であるか?というのは誰にも証明できないのです。
当然ながら、接着剤の強度が落ちれば、構造部分の耐久性も衰えます。
人生100年時代と言われる今。
せっかく建てた家が、ローンを払い終える頃にまた建て直ししなければ住めないとなるのは、少々不安ですよね。
老後の暮らしを豊かにするためにも、また、後に引き継ぐ子供たちの負担を減らすためにも、耐久性についてよく考えたうえで構造用木材を選びましょう。
無垢材とは?
無垢材とは、その名の通り1本の木を伐り出してつくられた「天然の木」のこと。自然由来の素材ならではの安心感と高品質が魅力です。
【無垢材のメリット】
・耐久性が高い(古くから現存する寺院や仏閣でも使用されている)
・見た目の美しさや木の香りの良さ
・安全性が高い
集成材と比較した場合、最も大きなメリットは、その耐久性。
実際に日本に存在する神社などの建造物にも使用されており、無垢材を構造材として使用した際の耐久性の高さは実証済み。
無垢材というのは、生きた木ですから、呼吸を繰り返しながら乾燥が進んでいくことでどんどん強度を増していきます。
つまり、年数が経てば経つほど強くなるんです。
また、柱や梁に使用した際は、見た目の美しさも大きなメリットでしょう。あえて梁を見せる家づくりもトレンドですから、無垢材ならではの高級感のある見た目、質感を楽しめるとあって、無垢材を使用した家づくりはとても人気があります。
構造部だけでなく、このように柱や梁で使うと木の香りが室内に漂い、穏やかな気分にさせてくれるのも魅力ですよね。
そして、無垢材は工業製品である集成材と違って接着剤を使用しませんから、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物によるシックハウス症候群のリスクもありません。
このように家族みんなが健康で安全に暮らせるというのが、無垢材を選ぶ最大のメリットだと思います。
【無垢材のデメリット】
耐久性、安全性においてバッチリな無垢材ですが、実は自然素材であるがゆえのデメリットがあります。
1つは、反りや割れが生じること。
無垢材は空気中の水分を吸って放出する…というのを繰り返します。これにより木材そのものが反ったり割れたりすることがあるんです。
しかし、無垢材そのものが変形しても、建物自体の強度には影響がないことがほとんど。
実際、古くから建てられている神社仏閣などは数百年もの間、変わらずに建っているわけですから、その影響は低いと考えられます。
ただし、それだけ木材の種類や育った地域によって品質に差が出てしまう無垢材は、集成材のように誰でも扱えるというわけではありません。
扱う職人の技術が問われることもあり、仕上がりに差が出てしまうのもデメリットでしょう。
また、無垢材は集成材と比べるとどうしても加工に手間がかかるため、価格が高い傾向にあります。木材の種類によっても多少異なりますが、人気のあるヒノキやウォールナットなどの無垢材は比較的高価な木材です。
集成材の「剝離(はくり)事故」に関する問題
集成材のデメリットの部分でご紹介したとおり、集成材に使用される接着剤が剝がれ落ちるという「剝離事故」が問題視されています。
実際に2005年には、海外製品の構造用集成材が剥離しヒビ割れを起こしていたという事故が発覚しました。
当時剝離事故を起こした集成材は、農林水産省が定めた規定「JAS」の認定をクリアしていた木材です。
すべての集成材が悪というわけではないものの、このようにJASの規格をクリアしていたものであっても安心できないというのが実情なのです。
【なぜ集成材は剥離してしまうのか?】
集成材は、異なる木材同士を接着剤でくっつけてつくられたもの。
本来は、貼り合わせる前の木材も自然の木ですから、無垢材と同じように呼吸をし、膨張や収縮を繰り返しています。
集成材の場合、それを接着剤が支えているような状態ですから接着面に大きな負荷がかかってしまうんです。
基本は、高い接着力であれば木材がいくら膨張や収縮をしてもしっかりくっついたまま。
しかし、周囲の環境や木材と接着剤の相性によっては、剝がれ落ちてしまうこともあるんです。
このように大きな負荷に耐え切れず、時間の経過とともに接着部が割れ出し、構造材としての強度も衰えます。
構造材の場合、建て終わってしまえば見えなくなりますから、知らぬ間に剝離が進み、大きな地震の揺れに耐えられなくなってしまうこともあるでしょう。
【集成材に使われる接着剤とは?】
集成材に使用される接着剤は、大きく分けて以下の2つに分けられます。
■イソシアネート系接着剤
イソシアネート系接着剤は、硬化すると白もしくは透明になることから通称「白のり」と言われているものです。
接着後の木肌がきれいに見えることから、とても人気が高いと言われています。
しかし、過去に剝離事故を起こした集成材のほとんどがこのイソシアネート系接着剤を使っていたため、耐久性の面では不安が残ります。
■レジルシノール系接着剤
レジルシノール系接着剤は、硬化後の色が黒くなることから「黒のり」と言われており、古くから構造用の集成材に使用されているものです。
古くから使用されていた実績があるため、耐久性では多少の安心感が得られますが、レジルシノール系接着剤の場合は、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物が含まれており、健康面では大きな不安が残ります。
揮発性有機化合物とは、現在シックハウス症候群の原因物質であると言われており、柱や梁として使用する際は、室内の空気が汚染されてしまう恐れがあるので注意しましょう。
構造に適した建材は無垢材と集成材どっち?
これまで集成材、無垢材を比べてみましたが、どちらもそれぞれメリットデメリットがあるため、一体どちらを構造材として使えばいいのか、答えが出ない方もいるかもしれませんね。
実際、工務店やメーカーなど施工を請け負う会社によって異なる見解なので、何を信じていいのか迷ってしまうことも。
そんなとき、一番に考えてほしいのが家族のことです。
耐久性の劣る家を建てて、数十年先、住めなくなってしまわないか?
もしまた建て直すことになったら、金銭的負担はないか?
剥離事故やシックハウス症候群などのリスクがある集成材を使用することで、家族の健康や命を守れるか?
など、もう一度考えてみましょう。自ずと答えが見えてきませんか?
私たち無添加計画では、30年、50年…とその先ずっと住み続けられる無垢材を使用した家づくりを推奨しています。
それはやはり、家族みんなの健康を思ってのこと。
耐久性・安全性の面から考えると、やはり集成材ではなく無垢材を使用した方が長きにわたって安心した暮らしができるからです。
親から子へ、子から孫へとずっと引き継いでいけるような家づくりには、無垢材と集成材どちらが本当に適切な建材か、よく検討してみてくださいね。
私たちが使うのは強さと美しさが自慢の「南三陸杉」の構造材
構造材で使用する無垢材は、やはり強度が重要ですよね。
長きにわたり家を支え続ける役割がある構造材は、耐久性・強度がなければ安心できません。
この“強さ”に着目し、私たちの家づくりに取り入れているのが「南三陸杉」です。
南三陸は、実は400年以上も前、仙台藩の藩祖・伊達政宗の時代から杉の良材の産地として奨励されてきたと言われています。
実は南三陸は、雨の少ない地域。
杉は雨を好みますが、南三陸の海から供給されるミストにより、降水量が少なくても穏やかに育つことができるんです。
また、雪が少なく台風の襲来も少ない地域ですから、杉がゆっくりゆっくり育ち、目(年輪)が密になるため、強度が高くなると言われています。
まさに構造材として適した木材ですよね。
私たち無添加計画・仙台支店では、老舗製材業「丸平木材」の協力のもと、実際にお施主様を山へ招待し、伐採式を通じて「住育」にも取り組んでいます。実際に目で見て触って感じられる杉の木のパワーを知れば、家づくりに使う建材の重要性について理解が深まりますよね。
県産材を使用することはその地域の活性化につながるだけでなく、お客様にも補助金制度を利用してもらえるといったメリットがあります。
※丸平木材㈱へはコチラ
無垢材と集成材の特徴を知って本当に「良い家」を建てよう
無垢材と集成材のメリットデメリットを知ると、意外とこれまで気が付かなかったことも多かったのではないでしょうか。
家づくりをする際は、デザインや広さ、価格などに囚われがちですが、質の高い家づくりをすることも、大切な家族の命を守るためにも重要なことです。
構造部分は、無垢材を使おうと集成材を使おうと結局見えなくなる部分だから…と思う方もいるかもしれませんが、耐久性などの面から考えて本当に安心して住める家を建てるにはどちらが良いのか、改めてよく考えてみてください。
私たち無添加計画では、今回ご紹介したような無垢材と集成材の違いを、サンプルを使用しながら丁寧にご説明します。
さらに、実際に建てる家の構造や完成後の家の見学会なども随時行っておりますのでご興味のある方はお気軽にお問合せくださいね。
無垢材の家の良さは、実際に見れば納得できるはず!憧れの無垢の家で心地良い暮らしを実現しませんか?
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