家のこと(新築)
2022.2.21. MON
家づくりにおける換気の基本!室内空気をキレイに保つ工夫とは?

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「換気」の目的は室内空気をキレイにすること

新型ウイルス感染症の流行により、あちらこちらで「換気の重要性」が注目されて来ていますよね。
そもそも換気とは、室内の空気を入れ替え、キレイに保つ目的で行われるものですが、そのほかにも様々な役割があります。
・空気環境の清浄化
・ニオイや湿気の排出
・室内の熱の排出
・キッチンなど燃焼ガスの排出
など。
換気が正しく行われていないと、家の中に嫌なニオイが充満したり、湿気で結露やカビが発生しやすくなったりします。
また、室内に汚れた空気がこもったままだと、ハウスダストや花粉、ウイルスや細菌などが停滞しやすくなり、健康に害を与える恐れもあるのです。
つまり、健康で快適な暮らしには換気が欠かせないということ。
そこで今回は、換気の正しいやり方や家づくりの際に取り入れたい換気の工夫についてご紹介します。
家づくりにおける換気の種類

ひとくちに換気と言っても様々な種類があります。
私たちがよく窓を開けて自然の風を取り入れることを「自然換気」と呼びますが、それだけでなく、24時間換気システムなどの設備を用いて行う方法を「機械換気」と言います。
この機械換気の中にも、家づくりでよく使われるのが「第1種換気」と「第3種換気」。
どちらを選ぶにしても機械換気の場合は、換気扇やフィルターを定期的に掃除し、正しく稼働させることが大切ですよ。
まずはそれぞれどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
第1種換気とは?
第1種換気とは、給気も排気も機械を用いて行う方法です。
主に以下のような特徴があります。
・熱交換換気装置を備えることで、取り込んだ外気を室温に近い状態で給気することができる
・アレルギーの原因となる花粉やPM2.5などを除去して外気を取り込める
・換気扇を多数稼動させることになるため、ややコストがかかる
第3種換気とは?
第3種換気は、排気のみを機械を使って行う方法です。
以下に主な特徴をご紹介します。
・第1種換気に比べて設備が簡単なため、費用を抑えられる
・換気扇のお手入れ以外はメンテナンスがほとんど要らない
効率の良い換気の方法とは?

気密性の高い住宅が増えている今、より効率的に換気を行うことで、上手に室内の空気の循環を行うことができます。
効率の良い換気の方法について知っておきましょう。
①窓を開けて風の通り道をつくる
換気の基本は、“風の通り道”をつくること。
風の通り道をつくる最も手軽な方法は、窓を開けるということですが、単に窓を開けたのでは効果が期待できません。
■なるべく離れた場所にある2箇所以上の窓を開ける
■対角線上にある窓を2箇所以上開ける
■高低差のある窓を2箇所以上開ける
などのように、空気が出入りする場所をしっかりつくってあげるということが大切なのです。
もし、1箇所しか窓を開けることができないのであれば、サーキュレーターや扇風機を屋外に向かって稼働させるようにしましょう。
そうすることで部屋の内側の空気を外へ効率よく排出することができますよ。
②換気扇を活用する
どこの家庭にもあるキッチンの換気扇。
キッチンの換気扇は、排気量が非常に大きいため、効率良く換気を行うことができるんです。
ポイントは、キッチンから離れた場所にある窓を開けた状態で換気扇を回すこと。
そうすると空気の流れができるので、効率よく換気を行うことができますよ。
③24時間換気システムの利用
2003年7月以降に建てられた家には、24時間換気システムの設置が義務付けられています。
意外と知られていませんが、この24時間換気システムは「常時」稼働させることが必須です。
換気システムのスイッチをオフにしたり、各部屋に設置された換気口を閉じてしまったりすると、正しく換気することができないので注意しましょう。
また、併せて排気口やフィルターの掃除を定期的に行い、空気を効率よく循環させるようにしてくださいね。
換気の頻度はどのくらい?

換気の目安は、1時間に5~10分程度が良いとされています。
また、1回の換気時間を長くするよりも、換気回数を増やした方が効率が良いとされています。
たとえば、1時間に20分換気を行うよりも、30分おきに1回5分の換気を行う方が効率的ということです。
特に冬場は、窓を開けっ放しにすると室温が下がり、寒さを感じてしまうので、換気回数を増やし、1回の換気時間を短めにすると良いでしょう。
換気をしないとどうなる?

人が普段口にする飲み物や食べ物の量よりもはるかに多くの量を摂取することになるのが「空気」です。
空気は目に見えないものですから、汚れているかそうでないか気が付かないことが多いですよね。
そのため、換気の必要性をあまり感じられない…という人も。
しかし、想像以上に室内の空気は汚れていることが多いんです!
長期間、全く換気せず、汚染された空気を吸っていたらどうなるのでしょうか?
シックハウス症候群を引き起こすことがある
気密性の高い家でよくあるのがシックハウス症候群などの健康被害。
家づくりに使われる合板フローリングやビニールクロスから発せられる有害な化学物質を吸い続けることで、のどの痛みや頭痛、湿疹や鼻水鼻づまりが起こることがあります。
このシックハウス症候群は、建材からだけではなく、テーブルやベッドなどの家具からも揮発することもあります。
私たちは、このような健康被害を防ぐため、有害な化学物質を揮発しない“自然素材”を使った家づくりをしています。
換気をしっかり行うことだけでなく、使用する建材にも注意することが大切ですね。
ハウスダストによるアレルギーを引き起こす
空気中に飛散するホコリやチリなどはもちろんですが、換気をしないことで心配なのが結露によるカビ・ダニの発生です。
ダニのフンや死骸を空気と一緒に吸いこんだり、皮膚に付着したりすることでアレルギー症状を引き起こすこともあります。
息苦しさや頭痛の原因になることも…
私たち人間は、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しますが、その二酸化炭素の濃度が高まると、息苦しさや頭痛を引き起こす原因になることもあります。
家づくりに取り入れたい換気の工夫

換気の正しい知識を得たなら、家づくりに是非とも活かしたいですよね。
これから家を建てるという方は、以下を参考に換気しやすい家づくりをしましょう。
吹き抜けをつくる
開放感があり、見た目もおしゃれな吹き抜けは、近年人気の間取りですが、それだけでなく風の通り道をつくりやすいというのもメリットの1つです。
基本的に空気は温められると軽くなって上昇し、冷たくなると凝縮して降下する性質があります。
それを利用して風の通り道をつくるのが「重量換気(または温度差換気)」です。
重量換気を正しく行うためには、吹き抜けをつくり、家の高い位置と低い位置にそれぞれ窓を設けることが大切。
すると、低い位置から冷たい空気が入り込み、家の中を通って温まった空気が高い位置から出ていきます。
家の中に空気がこもらずに、常に循環していくので、結露の発生などを極力抑えることができるでしょう。
南北対角線上に窓をつくる
季節や地域によっても多少の差はありますが、日本は基本的に、南から北にかけて風が吹くと言われています。
そのため、家の南側と北側に窓を設けると、風の通り道ができやすいのでおすすめです。
正しい換気で家の中を心地良い空間にしよう

換気を正しく行うことは、家の中の空気を常にキレイに保つということです。
健康に安心して暮らすためには欠かせないことですから、ぜひこまめな換気を心がけ、空気の正常化に努めてくださいね。
今回ご紹介したような正しい換気方法をしっかりおさえて、日々の暮らしに取り入れましょう。
私たち無添加計画の家づくりでは、換気の工夫はもちろんのこと、調湿効果の高い無垢材や漆喰と言った自然由来の建材を使うことで、結露やカビ・ダニの発生を防いだり、シックハウス症候群を防いだりしいています。
このように住む人の健康を考えた家づくりは、新たな生活様式にも当てはまることかもしれませんよね。
これから家づくりをしようとしている方は、換気を正しく行うことに加え、空気を汚さない家づくりについて考えてみてください。
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