そもそも「ウッドショック」って何?

今さら聞けない「ウッドショック」とは?家づくりへの影響はある?値上がり必至の注文住宅はいつ建てるのが賢いのか徹底解説

近年なにかと話題になっている「ウッドショック」。

これから家づくりをしようと検討している方にとっては、気になるニュースですよね。

 

ウッドショックとは、2021年に起こった木材価格の高騰のこと。

建築用の木材の供給が需要に追い付かないことで価格が高騰し、木造住宅の価格が急上昇してしまったという問題です。

過去に起きた「オイルショック」になぞらえて「ウッドショック」と呼ばれています。

 

残念ながら2022年現在も状況改善の見通しが立っていないという話もあり、木材不足は非常に深刻な状況に…。

一体なぜウッドショックが起きたのか?家づくりへはどのような影響があるのか?などについて具体的に解説していきます。

ウッドショックの主な原因とは?

今さら聞けない「ウッドショック」とは?家づくりへの影響はある?値上がり必至の注文住宅はいつ建てるのが賢いのか徹底解説

ウッドショックの原因は1つではなく、複数のことが絡み合って起きていると考えられています。

主な原因は以下のような事柄です。

【新型コロナウイルス蔓延による住宅需要の増加】

まず1つ目は、新型コロナウイルスの蔓延による住宅需要の増加です。

コロナウイルス流行以降、日本だけでなく世界的にも戸建て住宅の需要が高まりました。

「お家時間をより快適に過ごしたい」

「旅行などのレジャー費を家づくりに充てたい」

といったことから、お家を建てる人が急増したんですね。

 

これにより、世界的規模で木材の需要と供給のバランスが崩れ、一時的に木材不足となってしまったのだと考えられています。

木材が減れば、在庫の取り合いが起き、必然的に価格も高騰しますよね。

 

日本の場合、ほとんどが輸入に頼っているような状況ですからウッドショックの影響は避けられない問題なのです。

 

参考文献:経済産業省「新型コロナウイルスがもたらす供給制約」より

【新型コロナウイルス蔓延によるコンテナ不足】

新型コロナウイルスの影響はまだあります。

コロナ禍で多くの人が外出自粛を強いられた結果、通販で商品を購入する人が増えましたよね。すると今度は、世界的なコンテナ不足に陥ってしまったんです。

 

【ロシア・ウクライナ情勢によるもの】

2022年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻の影響もウッドショックの原因の1つです。

戦争開始により、ロシアが日本を含む非友好国への木材の輸出を禁止しているため、「第二のウッドショック」が起こりました。

 

日本では、ロシアからの木材輸入率はさほど多くはないのですが、ほかの国々ではロシアの輸入に頼っているところもあります。

ロシアが輸出禁止をしていることで、世界的規模で木材の流通量が不足し、それによる価格高騰も起きてしまっているんです。

ウッドショックは家づくりにどんな悪影響をもたらしているの?

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これまでご紹介したとおり、ウッドショックは様々な原因が重なって起こっているのですが、あまりにも世界的規模での話なのでいまいちピンと来ない方もいるでしょう。

実際、家づくりにはどんな悪影響があるのでしょうか?

 

 

住宅の価格が上昇している

まずは価格の高騰です。

同じ家を建てるのにウッドショック前と後では大幅に価格が異なるというのは、家づくりをする側にとっては困ってしまいますよね。

100円200円の話ではないですから、せっかく家づくりをしようとしてもあまりの価格の違いに不安になってしまうこともあるでしょう。

注文住宅の場合工期が遅れる

ウッドショックによる木材不足は、家づくりの際の工期を遅らせてしまうことにもつながります。

実は木材以外にも、家づくりに使われる金属や部材も不足しており、価格の上昇はもちろん、在庫不足による出荷待ちが続いていることも。

当初と比べてやや緩和されては来ているものの、場合によっては工期が遅れてしまうこともあります。

 

ちなみにこの部品不足は、家づくりに限らず自動車メーカーでも起きており、納車が大幅に遅れることも多くなっています。

ウッドショックはいつまで続く?終わりの目処は?

今さら聞けない「ウッドショック」とは?家づくりへの影響はある?値上がり必至の注文住宅はいつ建てるのが賢いのか徹底解説

これから家づくりをしようと考えている人にとっては「ウッドショックはいつまで続くの?」と心配になってしまいますよね。

 

残念ながら2022年現在も木材の価格高騰は続いており、すぐには問題解決とはならないようです。

ただし、全体的に価格は高水準で推移してはいるものの、価格上昇そのものはピークアウト傾向にあります。(※1)

 

また、その一方で新しい取り組みも始まっています。その1つが「グリーン成長」。

2050年カーボンニュートラルも見据えた計画となっているため、今後さらに注目度が増すのではないかとみられているんですよ!

日本では林業が衰退していく一方でしたから、これはうれしいニュースではないでしょうか。(※2)

 

※1)経済産業省HP「どうなったウッドショック」より

※2)林野庁「森林林業基本計画パンフレット」より

ウッドショックが心配!家づくりのタイミングはいつがいいの?

今さら聞けない「ウッドショック」とは?家づくりへの影響はある?値上がり必至の注文住宅はいつ建てるのが賢いのか徹底解説

ウッドショックによる工期遅延や価格上昇など、家づくりを検討している人にとってはあまり好ましくないことばかりですよね。

一体、いつになったら安心して家を建てられるのでしょうか?

また、家づくりをするタイミングはいつが適しているのでしょうか?

 

後悔しない家づくりをするなら?家族みんなで考える「理想の家」のつくり方

【低金利の今がチャンス】

ウッドショックで住宅の価格が高騰することで、「今が買い時ではない」と判断する方も増えているようですが、実は低金利の今がチャンス!

というのも、今後コロナによる経済不況が回復すれば、景気回復から金利上昇へ…という変化があり得るからです。

 

新型コロナウイルスにより世界が一変したように、経済状況についてもいつ大きな変化があるかは誰にもわかりません。

そう考えると、低金利である今が最大のチャンス!と考えて家づくりをしておくのも1つの選択肢と言えるでしょう。

 

【建てたいときがタイミング】

ウッドショックに関しては長期化する可能性も決してゼロではなく、この先、もっと木材や資材が不足することもあります。

今じゃないと待ってみたところで、以前と同じような価格になる(または値が下がる)ということは保証できませんね。

 

そうこうしているうちに、子どもも大きくなり、ローンを無理なく借りられる年齢を過ぎてしまった…なんてことにならないよう、建てたいと思ったときに計画を進めてしまうのもいいと思います。

 

とはいえ、気になる費用面については無理のない範囲で検討することが一番。

不安なときは、事前に信頼できる工務店やメーカーの担当者に相談しておくなど、情報収集をしっかりしておくといいですよ。

 

【補助金などを利用するのもおすすめ】

価格の面から家づくりのタイミングためらってしまうのなら、各種補助金制度の活用も考えてみましょう。

最近では脱炭素社会を目指すべく、家づくりに関する補助金制度が非常に充実しています。

これは新築だけでなく中古リノベーション(またはリフォーム)も対象です。

 

たとえば…

・こどもみらい住宅支援事業

・次世代省エネ建材の実証支援事業

・断熱リフォーム支援事業

など。

 

今後もこのような補助金制度は形を変えて出てきます。自分たちの家づくりではどのような制度を使えるのか知識を深めておくといいかもしれませんね。

補助金制度に関しては、国全体の予算額の上限に達した時点で募集終了となるので、公募が始まったら内容をチェックしておきましょう。

 

ウッドショックでも家づくりのタイミングを見逃さないで!

今さら聞けない「ウッドショック」とは?家づくりへの影響はある?値上がり必至の注文住宅はいつ建てるのが賢いのか徹底解説

ウッドショックやコロナという様々な不安要素が多い今。

「家を建てるのは今じゃないのかも?」と、なんだか弱気になってしまいますよね。

しかし、先のことは誰にも予測がつきません。

家づくりのタイミングを慎重に検討してみても、結局また価格が高騰したり景気が悪化したりする可能性も出てきます。

 

ですから「家を建てたい」と前向きに考えている今こそ、家づくりをするタイミングなんです。

補助金制度などを賢く利用すれば、今よりもっと暮らしやすい家を建てられるかもしれませんよ。

 

私たち無添加計画では、ウッドショック以降さらに注目を集めている「国産材」についても積極的に取り入れ、安心安全な家づくりに努めています。

輸入材に頼らず地産の無垢材を使うことで都市部の住宅環境を守り、さらに地方の森林活性化を促すという、和歌山県にある老舗製材業である「山長商店」が実施している「高品質紀州材供給システム」に賛同。

国産材の良さを実感できるような家づくりをご提案しています。

 

不安要素が多いことは事実ではありますが、「家づくりをしたい」という気持ちを大事に、前向きに考えていきましょう。

私たちは、少しでもそのお手伝いができたらいいなと思っています。