家のこと(新築)
2022.2.22. TUE
結露が発生する原因は?家づくりにおける3つの結露対策
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家の結露対策は建物の劣化を防ぐ
外気の気温が低くなってくる冬の時期に発生する「結露」。
窓ガラスや玄関ドアなどに水滴が発生し、雑巾やワイパーなどでこまめに拭かなければならないのが面倒ですよね。
家の結露は、しっかり対策をしないとカビやダニの発生を許し、結果として建物の寿命を縮めてしまうことにもつながります。
そこで今回は、結露ができる原因と対策について詳しく解説していきます。
結露が発生する原因は?
結露とは空気中にある水蒸気が水滴となって物体の表面に付く現象のこと。
空気には、もともとある程度の水蒸気が含まれていますが、空気が含むことのできる水蒸気の量には限界があります。
これを「飽和水蒸気量」と言います。
この飽和水蒸気量は、空気の温度が低くなるほど少なくなり、温度が高くなるほど多くなります。
つまり、空気が含む水蒸気量が飽和水蒸気量の上限を超えると、水蒸気が液体化し、結露となって窓ガラスなどに付着してしまうのです。
一般的には結露がよく起きるのは窓ガラスですが、これは暖かい室内の空気と冷たい外気の温度との差が生じやすい場所だから。
室内にある湿った空気が急激に冷やされることで、空気中の水蒸気が水滴へと変わるというわけなんです。
もちろん、この現象が発生する環境ならどこでも結露が起こります。
たとえば、玄関ドア、クローゼット内、お部屋の隅なども起こりやすい場所ですから注意してくださいね。
結露を放置するとどうなるの?
結露をそのまま放置しておくと、以下のようなトラブルが起こることがあります。
たかが結露だと思わず、こまめに結露を拭き取ったり、結露が起こらないよう予防策をとったりしましょう。
【トラブル①建物が劣化する】
結露が酷い場合、窓のサッシから床や壁などの内部に水が染み込んでしまうことがあります。
ポタポタと垂れた水滴から、家の柱や壁、床など木材を腐食させてしまうことも…。
これは家そのものの寿命を早めてしまうことになるので注意しましょう。
【トラブル②カビやダニが発生する】
結露が繰り返し起こる場所は、ジメジメと湿気を帯びている場所ですから当然、カビが発生しやすくなります。
カビというのは、目に見える表面部分だけではありません。
カビの根が、壁や床の奥まで入り込んでしまうこともあり、時にはカーテンなどにも付着してしまうこともあります。
さらに、カビをエサにして繁殖するダニの発生も許してしまうことになり、室内空気を汚してしまうことにもなります。
トラブル③アレルギー疾患を引き起こすことも
結露が発生してジメジメと湿った場所には、カビやダニが繁殖しやすくなります。
ダニのフンや死骸がホコリと一緒に舞い上がり、その空気を私たち人間が吸ってしまうと、喘息や鼻炎などアレルギー疾患を引き起こすこともあります。
結露を予防するためにできることは?
結露が発生すると家の劣化を早めてしまうだけでなく、健康にも害を及ぼす危険がありますから、なるべく結露ができないよう予防することが大切ですね。
以下に、誰でも簡単にできる結露予防策をご紹介します。
まずはこちらから試してみましょう。
結露予防策①換気を正しく行う
まずは湿気がこもらないように、定期的に換気を行いましょう。
建物に設置された換気システムを稼働させるだけでなく、1時間に1度5~10分程度窓を開けて自然換気を行うのがおすすめです。
換気のコツは、家の対角線上にある窓を2ヶ所以上開けること。
風の通り道を作ることで、室内の空気がまわりやすくなりますよ。
もし対角線上に窓がないという場合は、サーキュレーターの活用もおすすめです。
窓の外に向かって稼働させ、汚れた空気を効率よく外に排出しましょう。
暖房を使っているときもサーキュレーターを活用すれば、部屋全体の温度が均一になるので結露が生じにくくなります。
これも1つの結露予防策としておすすめです。
結露予防策②湿度を調節する
先もご紹介したとおり、空気中の水蒸気量が増えることで結露が発生しますから湿気が溜りやすい部屋は湿度を調節することも欠かせません。
理想的な湿度は、40~60%程度。
観葉植物には調湿効果があるので、気になる場所に置いて、湿度をコントロールするのもいいですよ。
ほかにも、湿気がこもりやすいクローゼットは、定期的に扉を開けるのも効果的です。
結露予防策③結露対策グッズを活用する
結露防止シートや断熱シートなど様々な結露対策グッズが市販されているので、一時的にそちらを貼って対策をとるのも有効です。
ほかにも窓専用のヒーターなどを設置し、温度差を生じさせないことで結露を防ぐという予防策もいいでしょう。
最も簡単な方法は、掃除をする際に食器用洗剤を薄めた水で窓ガラスを拭き上げるという方法です。
食器用洗剤には水をはじく成分が含まれているので、結露を防止してくれますよ。
家づくりにおける3つの結露対策
これまでご紹介したのは、誰でも簡単にできる結露予防策。
しかしこれらは根本的な解決には至っていませんよね。
そもそも結露が発生しない環境を作れば、結露によるストレスに頭を悩ますこともないのです。
それならば、これを機に住宅設備を見直すことをしてみませんか?
これから家を建てようとしている方は、以下のようなポイントを参考に、結露が発生しにくい家づくりを検討しましょう。
家づくりの結露対策①建物の断熱性能を高める
結露を発生させないためには、外気温と室温の「差」を極力なくすことが大切です。
そのためには、建物そのものの断熱性能を高めること!
外断熱・内断熱をしっかり施し、外気温に左右されない家づくりが理想です。
家の断熱性能が高まると…
・結露が発生しにくくなる
・一年中室内が快適な温度に保てるため、光熱費の負担が軽減できる
・アレルギー疾患やヒートショックの心配がない
など、様々なメリットがあります。
「冷えは万病のもと」とも言いますから、断熱性の高い家で健康と快適さを手に入れましょう。
家づくりの結露対策②自然素材を使った家づくりをする
ビニールクロスではなく漆喰壁を使ったり、合板フローリングではなく無垢フローリングに変えたりするなど自然素材を使った家づくりは、調湿効果に優れているので結露対策に非常に有効です。
なぜなら漆喰や無垢材には「吸放湿機能」があるから。
自然素材が呼吸をすることで、自然と湿度を調節してくれます。
余分な空気中の水分を吸って、乾燥しているときは吐き出す…を繰り返すため、ジメジメと湿った空間を予防してくれるんです。
カビやダニの発生はもちろん、結露も生じにくくなり、室内の湿度コントロールがしやすくなるでしょう。
家づくりの結露対策③樹脂窓+複層ガラスを取り入れる
結露が最もよく発生する「窓」。
この窓を根本的に見直してみるのもおすすめです。
窓というのは空気の出入りが一番激しい場所ですから、窓の性能を高めることで、結露を予防することができるのです。
たとえば、近年人気の「樹脂窓」もその1つ。
樹脂窓とは、樹脂製のフレーム+複層ガラスから成る窓のことです。
アルミサッシに比べて樹脂サッシは、約4倍もの断熱性があるので、窓周辺の温度差をなくし、結露予防につなげることができます。
日本では、まだアルミサッシに単板ガラスが主流ですが、北米・北欧と言った寒さ厳しい地域では、樹脂窓に複層ガラスが一般的。
断熱性にも優れていますから、寒い地域では特に有効ですよ。
結露対策をしっかりした快適な家づくりをしよう
いかがでしたか?
家の結露対策というのは、家を建てるときから始まっています。
今回ご紹介したように自然素材を使った家づくりにしたり、樹脂窓を取り入れたりするなど、結露を発生させない工夫をすることが大切です。
私たち無添加計画の家づくりも今回ご紹介したように、
・自然素材を使った家づくり
・高断熱な家づくり
・樹脂窓と複層ガラスを取り入れた家づくり
を、推奨しています。
もうお分かりかと思いますが、結露やカビ・ダニの発生には、家の性能を高めることで改善されます。
これから家づくりをしようと検討されている方はもちろん、リフォームを検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
せっかく家を建てるなら悔いのない家づくりをしましょう。
COLUMN
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